あれはたしか小学校の卒業間近、梅田のピカデリーに友達と3人で観に行った映画が「ベスト・キッド」です。
ベスト・キッド:1985年2月16日公開
インターネットも格安航空券もない時代、アメリカはまだ遠い国でした。
そんなアメリカの映画で、日本の空手を軸にした作品が公開されることに、カンフーブームからの流れもあって、小学生の僕たちはワクワクしたものです。
映画はいまだにファンが多いことからもわかるように、人生で何度も繰り返して観ることになるほど心に残る素晴らしい作品でした。
あれから30年以上が経ち、小学生だった筆者も今ではアラフィフ。
たまたまYouTubeで見かけたのが「Cobra Kai(コブラ会)」でした。
なんと、あの「ベスト・キッド」のスピンオフとして、YouTubeのプレミアム限定で公開されていたのです。
しかもベスト・キッドの敵役だったジョニー本人が主役で、ダニエル本人も出演している!
もちろん即効でプレミアム会員に登録して一気に全作を視聴しました。
ところどころにベストキッドのファンが喜ぶ演出がちりばめられ、なかなかクールな作品に仕上がっています。
ぜひ「ベストキッド」ファン以外の方にも見て欲しい!
そこで、ベストキッドを見たことがない若い世代の人や、昔見たけど何となくしか覚えていないといった人でも、これから「コブラ会」を楽しんでみることが出来るように、ベストキッドのストーリーや要点などをまとめてみました。
ベスト・キッド:1985年公開
高校生の主人公ダニエルが、母親と共にアパートに引越してきたところから物語は始まります。
母子家庭であまり裕福ではありませんが、母親との仲は悪くなさそうな雰囲気。
このお母さんも「コブラ会」に何度か出演しています。
ダニエルは学校で、お金持ちアリちゃんに恋心を抱きます。
アリもまんざらではなさそう。
このアリを演じているエリザベス・シューは、最近では「THE BOYS」なんかに出ています。現時点(シーズン2)で「コブラ会」には出ていないのですが、出演する可能性もあるんじゃないかと筆者は期待しています。
浜辺でパーティーが開かれるのですが、そこでもダニエルとアリはいい感じに。
そこにジョニーという不良が仲間とバイクでやってきます。
ジョニーはアリの元カレで、ダニエルとの仲に嫉妬をしたのです。
負けん気だけは強いダニエルと喧嘩になりますが、ジョニーは高校空手チャンピオンなので勝てるはずもなく、みんなの前で恥をかいて負けてしまうわけです。
このジョニーこそが、後の「コブラ会」の主役。
まさかここから35年経っても因縁が続くとは、誰も思っていなかったでしょうね。
ベストキッドでは、ダニエル目線ですが、「コブラ会」でジョニーは、喧嘩してたアリに話をしにいったら、ダニエルが口を出して突然殴ってきたので自分を守ったと回想しています。
その後もアリとはうまくいっているのですが、ジョニーの嫌がらせは続き、自転車で帰宅中にバイクで襲われて顔にあざができる怪我を負います。
それを気にかけていたのが、アパートの管理人の日系人ミヤギさん。
負けん気の強いダニエルは、学校のハロウィンパーティーで、仕返しを試みますが、逆にジョニーたちに返り討ちに逢います。
意識が消えていく中で、管理人のミヤギさんが現れ、空手でジョニーたちをあっという間にやっつけていく姿を目にします。
ミヤギさんは空手の達人だったんです。
翌日ミヤギさんはダニエルを連れて、嫌がらせを止めさせるようにコブラ会に行きますが、弟子をやられたコブラ会の先生に話は通じません。
※当時のコブラ会の先生クリースは、シーズン2から「コブラ会」に登場します。
そこでミヤギさんは「2カ月後のトーナメントで決着をつけよう、その代わりそれまで弟子に手を出させるな。」という話でまとめるわけです。
当時小学生だった筆者でも、さすがに2カ月は短いと思っていましたが、それは「コブラ会」にも受け継がれています。ちょっと習っただけでみんな強くなっていく・・。
そこから修業がはじまります。
車のワックスをかけたり、ペンキ塗りで空手の形を体に覚えさせるスタイルは有名です。
ミヤギさんとの友情、アリとの恋愛を描きながら、クライマックスのトーナメントへ。
ダニエルはあまり強くなった印象はないのですが、うまいこと決勝戦へ進み、ジョニーとぶつかることに。
コブラ会の先生の指示で、卑怯に傷めつけながら戦うジョニーでしたが、最後にダニエルの鶴の型からの蹴りの一撃にやられてしまいます。
最後は少し離れたところで、ミヤギさんがほくそ笑んでいるところで映画は幕を閉じます。
以上が「ベスト・キッド」のあらすじになります。
ミヤギさん役はパット・モリタ・ノリユキさんが演じていますが、当初は三船敏郎さんにオファーがあったそうです。
もし三船さんが引き受けていたら、また違った印象の映画になっていたかもしれませんね。
ベストキッド2~4
ベストキッドには2~4までの続編があるので、少し触れておきますが、4は省きたいと思います。
主人公は女の子なんですよね。
「ミリオン・ダラー・ベイビー」のヒラリー・スワンクです。
ダニエルは出てないので「コブラ会」をみるには必要ないでしょう。
ベスト・キッド2:1986年
ミヤギさんの故郷である沖縄が舞台になった話ですが、冒頭はベストキッドの試合後を少し描いています。
コブラ会の先生がジョニーの2位のトロフィーを壊して、暴力をふるっているのをミヤギさんが止めに入って懲らしめるのです。
その後、沖縄のミヤギさんの父が危篤ということで、ダニエルを連れて沖縄に向かいます。
アリとは別れたようです。
沖縄といっても、実際にはアメリカやフィリピンで撮影されたので、実際の沖縄とはかなりちがうのですが、当時は沖縄のこともそんなに情報がなかったので、こんなものなのかと思ってみていました。
沖縄ではミヤギのかつての恋敵であるサトウとのいざこざがあり、サトウの甥とダニエルが対決することにるのですが、なぜかデンデン太鼓の動きのような型でダニエルが勝利するというのが大まかなストーリー。
タムリン・トミタさん演じるクミコとの恋愛描写が少しありますが、あまり印象には残りませんでした。
せっかく日本が舞台なのに、生粋の日本人も出演していないし、どこの国かよくわからない、ちょっと残念なパート2でありました。
ベスト・キッド3最後の挑戦:1989年
コブラ会を潰されて困窮したクリース(先生)は、ベトナム戦争時代の金持ちの親友シルバーと組んで、ミヤギとダニエルに復讐しようとします。
そこで空手の反逆児マイクを雇って、ダニエルを挑発させて大会に出場させて潰そうとするわけです。
今回もちょっとした恋愛的なことがありますが、あまり記憶にないので端折ります。
ミヤギさんの教え通り、挑発に乗らないダニエルでしたが、大会の申込書にサインをせざるを得ない嫌がらせに追い込まれ、ついにサインをしてしまいます。
でもミヤギさんは空手の稽古をつけてくれません。
しょうがないので一人で稽古していると、マイクが殴りこんでくるのですが、それを黒幕のシルバーが助ける芝居をして、ダニエルを取り込みます。
騙されているとも知らずに、シルバーに空手を教えてもらうダニエルは、コブラ会の道場訓「情け無用」を叩きこまれるのでした。
ダニエルは後の「コブラ会」で、自分もコブラ会の生徒だったことがあり、洗脳されたことを語っています。
暴力的になり、ミヤギさんとも心が離れつつある・・。
我に返り、試合出場を止めるので稽古はもう必要ないことをシルバーに告げに行くと、シルバーがネタ晴らしをします。
シルバー、マイク、クリースの3人でダニエルを取り囲みますが、ミヤギさんが現れて3人をやっつけてしまうのでした。
それでもダニエルを煽るシルバーとクリースをみて、ミヤギさんが稽古をつけてあげることになります。
そして試合の日がやって来て・・
この試合は”コブラ会の復活をかけた試合”でもあるので、前回の優勝者ダニエルを倒して優勝することが、シルバーとクリースの狙いです。
そのために、ポイントを取ったら反則業でポイントを取らせて、痛めつけた挙句に延長戦で勝つというシナリオをマイクに課します。
その結果、ダニエルは戦意喪失でパニック状態に陥りますが、ミヤギさんの「試合に負けるのはいいが、自分に負けてはいけない」という言葉に正気をとり戻すのでした。
さらに大声でダニエルを罵るマイクでしたが、冷静になり「はじめ」の合図とともに空手の型をはじめるダニエルをみて、逆に冷静さを失います。
そしてマイクの突きをかわして投げ飛ばしたところに突きを決めて、ダニエルは勝利を収めるのでした。
床を叩いて悔しがるマイクに、コブラ会の復活をあきらめたように会場を去っていくシルバーとクリース。
ダニエルとミヤギさんが抱き合ったところで、映画は幕を閉じます。
ベストキッドの制作が1984年で、翌年の設定であるパート3の制作が1989年なので、5年も経ってるんですよね。
ダニエルは高校生役ですが、ラルフ・マッチオは最初からすでに二十歳を超えていたので、3のときは27歳ということになります。
童顔ですね。
コブラ会をより楽しんでみるために
コブラ会(Cobra Kai)では、ベストキッドで悪ガキのリーダーだったジョニーが主役となります。
ダニエルもそこそこ登場しますが、基本的にはジョニー目線です。
喧嘩中の恋人であるアリにちょっかいを出され、殴ってきたので自分を守った。
結局はアリを奪われることに。
それから何カ月も経ったのに、ハロウィンパーティーで水をかけてきたので、けりをつけるために痛めつけたら、空手の師匠が出てきてボコボコにされた。
それで障害を負った仲間もいる。
というのが、ジョニーの記憶です。
本当は自転車を襲ったり、他にも嫌がらせをしてるんですが・・。
ベストキッドの最後には、自らトロフィーをダニエルに渡して称えているので、恨みは消えたと思っていたのですが、そうではなかったみたいです。
ダニエルに自分の人生を惨めなものにされたと思っているのです。
ダニエルは町で売車販売の経営に成功して、裕福な家庭を築いているので、余計にそう思うのでしょう。
ですが、「コブラ会」でのジョニーはなかなか前向きな考えを持っています。
さすがは主役です。
生徒想いだし、たまに大人げない態度も取るけれど、成長しようとしているのがわかります。
逆にダニエルの方が大人げないことが多いかも。
ダニエルの娘、ジョニーの息子、弟子をメインに、物語は進んでいきます。
ジョニーがちょっとかわいそうだと思うことが多いですが、最終的にどうなるのか気になるところです。
50歳を過ぎた大人が元気に活躍するのは、アラフィフとしてもうれしいですね。